あなた大丈夫?心が疲れてると感じたら考えたいアンチエイジング
心の疲れは非常に厄介です。
一見して外から見ただけでは心の疲れというのはわかりにくいです。
しかし、ふとした瞬間には「あぁ、つかれているなぁ」と感じることはあると思います。
まず疲れという状態について、医学的には身体的な疲れ、すなわち活動力の低下というものは科学的に実証されています。
ここでは疲れの正体について医学的に考察してみたいと思います。
頭が疲れているというのは、低血糖が原因であることが多いです。仕事終わりや学校のテストの後等、頭を使った後に頭が痛くなったりふわふわしたり、手が震えるなんて人もいるかと思います。これは低血糖の典型的な症状です。人間の脳は糖をエネルギー源として様々な思考や体の機能の調節を行っています。しかし、そのエネルギー源である糖が少なくなってくると体が危険信号として頭が痛くなったりふわふわしたり、手が震えるといった症状が出てきます。
これが私の考える頭の疲れの正体です。
体の疲れとはどのような状態なのでしょうか?体はたんぱく質や脂肪など体外から取り込んだ栄養素を基として細胞の中のミトコンドリアや、様々な組織がエネルギーを作成し、組織の分解、再構築のバランスを保っています。
しかし、外からの何らかの原因でこのバランスが崩れると体の疲れを自覚し、バランスが戻るまで筋肉痛や体のだるさなど様々な身体的活動の妨げとなります。
こころの疲れは医学的に推測するならうつ病との関連が強いと思います。
うつ病の診断基準は明確にガイドラインが定められています。ICD-10というWHOの国際基準か米国精神学会のDCM-Ⅳにのっとってうつ病に合致するエピソードが何項目あるかでうつ病と診断されています。
具体的な症状としては1日中気分がのらなかったり、興味や喜びが減退している。あるいは一日中寝起きのようなぼーっとした状態だったり、食事制限をしていないのに体重が減少するような状態です。
現代人は、日々の生活の中でストレスが強くかかりやすく、思い当たるふしのある方も多いかもしれません。
うつ病に準じて心の疲れの対処法を記述させていただくと、基本的に治療は4本柱で構成されます。
- 休養
- 環境調整
- 薬物療法
- 精神療法
なじみのない言葉も多いと思いますが一つ一つ解説していきたいと思います。
休養とは自分の中でできているようでできていないことですよね。
仕事モードだった自分を切り替えてのんびりするというのが正しい表現かもしれません。
医学的に興味深いのは瞑想という行為です。熟練した人が行う瞑想は副交感神経が活発になっています。通常は副交感神経は不随意神経といって自分で調節することができない神経です。しかし、驚くべきことに瞑想に精通した人は自己の様々な状態をコントロールできるというのです。
人間の体にはまだまだ医学的に解明されていないたくさんのことがあるという例だと思います。
話はそれましたが、瞑想は極端な例ですが、休養の意味とは自己の切り替えだと思います。しかし、瞑想ほど極端なコントロールでなくても別のことに集中するだけで気持ちの切り替えは十分に可能かと思います。例えば仕事から離れて、スポーツや読書をしたり、ゆっくり睡眠をとったりといったことですね。
また、環境調整に関しても同様で自分がストレスを感じる人間関係であったり、環境を改善するあるいはいっそのこと切り離して別のところに移動するというものです。なかなかいろいろなしがらみがあり一朝一夕で行うことは難しいですが、勇気ある一歩を踏み出し少しずつ変えていくことで結果的に環境調整を達成できることが多いように思います。
うつ病の治療と聞くとまっさきに思いつくのはこの薬物療法ではないでしょうか?
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)など様々な抗うつ薬があります。
ですが、うつ病の治療はあくまで総合的な治療なので薬だけに依存するような治療は危険といえます。なぜなら薬によっては依存性がありますし、薬物を中止したときに休養や環境療法という支えがないとまた、薬物が必要な状態に陥ってしまうからです。
ですので薬物だけに頼らず、多角的に治療を行う必要があります。
これは診察の中で自然とおこなわれるものですが、心の疲れを感じている本人に会話の中でなにが心の疲れの原因となっているかを自覚してもらい、気づき、それに対処する方法を考えてもらうというものです。
人と会話するのがそもそもストレスに感じる人もいますし、一概には言えないのですが、自分の現在地を把握することで次にどうすればいいかがわかるようになります。
心の疲れは自覚しづらいです。
ですが、ふとした瞬間に心が疲れた時は一度立ち止まってなぜ疲れているのか?自分はどうしたいのかを考えることが大切です。
現在の状況が認識できたらあとはそれを改善するために対策をたてましょう!
いきなり大きく変えることはできないと思いますが、小さなことからコツコツと変えることが大きな変化につながる第一歩です。