現役医師によるアンチエイジング探求

現役医師がアンチエイジングの方法について医学的に考えてみた。

Hello!Anti-Aging

現役医師によるアンチエイジングの医学的考察

【必見】医師が考えるアンチエイジングと肌

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肌とは不思議なもので子供のころは誰もがすべすべつるつるの卵肌ですが、年を取るにつれて徐々に肌のシミやしわ等様々なトラブルが増えてきます。

医学的にも体の中の各臓器が異常をきたすことで特定のサインが肌に出る疾患も存在します。

そんな体の調子を敏感に反映する「肌」のことを今回は少し掘り下げて考えていきます。

 

肌の成り立ち

 

まず、肌の構造とは大きく分けて真皮と表皮に分けられます。生まれたての肌のもととなる組織が真皮でそれが徐々に体の外側に移動するにしたがって少しずつ固くなっていきます。これを角化といい、やがて表皮になっていきます。そして表皮はしばらくたつと剥がれ落ちていきます。

これが肌の循環サイクルです。

 

皮膚は表皮から真皮へ、そして脱落するというサイクルを繰り返していますが、この過程に異常をきたすことが肌トラブルの原因となっています。

 

赤ちゃんの肌とお年寄りの肌の違い

 

極端な例を挙げて考察すると、赤ちゃんの肌とお年寄りの肌では何が違うのでしょうか?みなさんすぐにいろいろな違いを思いつくと思います。

それはおおむね正解です。

まず、皮膚も体の一部であり、細胞であるということを忘れてはいけません。

細胞というものはかなり小さな人体の構成単位ですが、様々な成分で構成されています。

では、肌の張りを反映する成分とは何でしょうか?答えは簡単、水ですね。

人体の70パーセントは水でできているといわれていますが、肌においてもその比率は例外ではありません。ここで最初の題に戻りますが、赤ちゃんとお年寄りの肌の成分を比べた時に大きく異なるのは水分だと思います。ですので、肌の細胞の水分を保つということがアンチエイジングと肌における大切なキーワードなのです。

 

もう一つは「酸化」です。あまりなじみのない言葉ですね。

ヒトの細胞は生きている中で様々なストレスにさらされています。その代表的なものが酸化ストレスというものです。

簡単にいうとヒトの体は細胞が酸素から体が活動するエネルギーを作り出していますが、その過程で出てくる老廃物が長年の経過で細胞に蓄積することを酸化ストレスといいます。

 

この酸化をくいとめることを抗酸化といいます。抗酸化という言葉はアンチエイジングに興味のある方なら一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

抗酸化によって細胞に蓄積されるダメージを食い止めることで肌の張りや、色合い、くすみといった加齢に伴うトラブルを予防できます。

 

 

先ほどの赤ちゃんとお年寄りに肌の違いの項で考察した内容から年をとった肌を赤ちゃんの肌に近づけるにはどうすればいいかを考えたいと思います。

 

  • 肌の水分量改善対策

 

まずは体の中から吸収効率のいい水分を摂取することです。体内の水分摂取は胃、小腸、大腸などの消化管が担っていますが、ただ水分を摂取するだけでは摂取効率を上げることはできません。消化管の吸収は副交感神経が活発な時にその能力を最大限発揮しますので、副交感神経を活性化させて状態で水分を吸収すればいいことになります。副交感神経は体が落ち着いているときに活発になりやすいので、運動直後などではなく、食事の際や就寝前、起床直後のほうがより効率はいいでしょう。

 

また、水分を摂取する際の水温に関しても気を使っていたほうがいいと考えられます。なぜならあまりにも冷たすぎるあるいは暑すぎると消化管に対する刺激となり、結果として交感神経を刺激してしまう可能性があるからです。

 

  • 肌の保湿対策

 

体内からの水分効率を上げると同時に外表面からも水分の保持を促すことが有効です。

具体的には化粧水と乳液による保湿が有効と考えます。化粧水は水分ですので細胞に浸透するという理屈はお分かりになられると思います。ただの水分なら水でもいいのではないかという声も聞こえてきそうですが、化粧水には水分の他に肌への浸透をよくするために様々な電解質などの調整を行い肌への浸透効率を上げています。

しかし、人体には不感蒸泄と言って肌が呼吸を行う過程で水分を放出しています。なので、保湿をしないとせっかく吸収した水分が蒸発し、また体外に出て行ってしまいます。それをある程度防ぐのが乳液です。

乳液は油成分で構成されているため水分の蒸発を防ぐ効果があります。よく言われる化粧水と乳液を両方使わなければ効果がないといわれる理由はこれですね。

 

  • 肌の抗酸化対策

 

これには紫外線の遮断及び体内からの干渉が有効と考えます。まず紫外線というのはかなりのエネルギーを持っています。これが表皮を超え肌の元の細胞である真皮まで到達し刺激を与えます。人間は強い刺激に対して防御反応が起きメラニンが生成されます。難しく書いていますが、夏に日に当たると肌が焼けて黒くなることを医学的に書いています。

メラニンなどはしばらくたつと吸収されますが、それでも徐々に蓄積されていき、長年の蓄積が原因でシミの原因となります。

したがって、紫外線を遮断するために日焼け止めや長袖などの対策が必要です。

また、抗酸化成分のあるものを摂取することで体内から抗酸化を目指すという対策方法もあります。抗酸化作用として効果がある成分としてはビタミンCやビタミンEがあります。食物として摂取することも可能ですが、必要量を摂取するだけの量を食物から摂取することは困難なこともあります。その場合はサプリの摂取も魅力的な選択肢として挙げられます。ビタミンCやビタミンEといった成分を効率的に摂取できるだけでなくそのほかの抗酸化成分に関しても効率的に摂取することができます。

 

いかがでしたでしょうか?肌に関して医学的見地から様々な考察をさせていただきました。記事を執筆している途中でほかにもいろいろな疑問がわいてきたのですが、また後日記事にさせていただきたいと思います。